人を許す
経営者が勉強する、ある勉強会での出来事です。
重要なポストにある二人の役員間に、大きな溝があることを感じていました。
ある時、ある役員の家族に不幸がありました。
二人のうちの一人が、会員に葬儀の連絡や、花輪などの手配をするはずでした。
ところが、その役員は、大きなミスを犯してしまいました。
会員の仲間達に、葬儀の時間を間違えて連絡をしてしまったのです。
私も、葬儀の会場に向かいましたが、葬儀は五分もたたないうちに終わりになりました。
参加した会員達は、皆、遅刻したことになり、大変恥ずかしい思いをしたのです。
式場をあとにした時、もう一人の役員は、怒り心頭となってしまいました。
「メンツも立場もあったものではない!」と大剣幕でした。
その後、感情が収まりきれず、普段の不満も含めて、我慢の糸が切れてしまい、会議でも感情むき出しになってしまいました。
責められた片方の役員は、耐えきれず、役員を辞任すると言い出しました。
責められた本人が不在の役員会で、私は、次のようなお話しをさせて頂きました。
「私も実は、大変な忘れん坊です。
もし、私が同じ立場だとしても、彼と同じようなミスを犯してしまう可能性は十分あります。
人は誰でも完璧な人はいません。
彼がやめたとして、代わりに誰かがその役に着いたとしても、ミスを犯してしまった時、許されないならば、誰も役職を引き受けるのを嫌がることでしょう。
どうでしょうか?
今回の件は、水に流して、彼の良い点を見直せば、、、今までも、会員のために沢山の貢献をしていることだし、、、。
それよりも、そんなことで、いちいち役員が辞めることになれば、役員会の器が問われることになるのではないでしょうか?」
数日後、ミスを犯した役員から、もう片方の役員にお詫びの話があったようです。
直ぐに、その役員から私に連絡があり、「自分も自分のことでいっぱいでした。誤りの言葉をいわれ、ハッとしました。
仲よくやるのが一番ですね」
その話を聞いて、私の中の天気図は、曇り空が一気に晴れ渡りました。
人を攻めるのではなく、人を許すこと、
人を許すと、一瞬で、ものごとは解決するようですね。