膝の水たまり
毎年梅雨になると、当院には、膝の水たまり(関節水腫)を訴えて来る方が急に多くなります。
皆さんが申し合わせでもしたのかと思うほどです。
地球は、強力な太陽のエネルギーによって生かされています。
生物、植物、水、空気、もちろん人間も含めて、あらゆる生命体の活動は、目には見えないところで、深く太陽エネルギーの恩恵を受けています。
ところが、梅雨になり、太陽のエネルギーが、分厚い雲にさえぎられて、体の生命活動に必要な量が足りなくなると、とたんに体は、バランスを崩してしまいます。病気を持っている人、免疫力が弱っている人、低体温の人、精神的に不安定な人などは、モロにその影響を受けてしまうようです。
毎日雨が降って、道路のあちこちに水たまりができるこの季節は、体の節々にも、水たまりがたまりやすくなるようです。肥満で、お腹に内臓脂肪が多く、体が冷えている人、変形性関節症がある人などは要注意です。
一般的に、「水がたまった」といいますが、中身は、粘液性のリンパ液です。関節のすべりをよくする潤滑油、つまり油と考えて頂いて宜しいかと思います。
油は、冷えたら固まります。逆に温めたら、溶けやすくなります。
急に転んだり、物にぶつけたりした外傷でも水は溜まることがありますが、何もせずに自然にたまった水は、ほとんどの場合、リンパの循環が悪くなり、つまり、油が固まったと同じ様に流れが滞ることによって起きる症状です。このような症状の方は、お腹に停滞した、内臓脂肪(油)と共に、患部もしっかり温める事で驚くほど改善します。
毎日湿布や薬を塗っても治らない方々は、もしかして、油が停滞しているかも知れません。リンパの滞留はレントゲンでは確認できませんが、超音波(エコー)で検査するとはっきり確認できます。水がたまってなかなか治らない方は、エコー検査と、温熱療法も試してみる価値が大です。